もし、自分のウチの犬が迷子になってしまったら?!
あってはならないことですが、どんなに気をつけていても事故というのは起きてしまうものです。神奈川県の南の方で、1頭のボクサー犬の首輪が外れて逃げ出してしまいました。名前をモリーといいます。
《いつ?》
2018年12月31日のことです。横須賀市馬堀海岸あたりで行方不明になったあと、横須賀米軍基地付近で、1台の車と衝突しています。これは、車を運転していた方が、自ら警察に出向き『大型犬と接触したようだ』と報告してくださったから判明しました。その日から今(2019年4月)に至るまで目撃情報が確実なものだと4回のみ。少なすぎる情報に捜索が困難を極めています。
《モリーの特徴は?》
メスのボクサー犬で7歳です。生まれたのはアメリカ。アメリカで飼われていてご主人と一緒に日本にやってきました。コマンドは全て英語です。マナーの入っているとてもいい子で、臆病なところがあります。一度は30cmの距離にまで近づけたそうですが、取り逃がしております。接触できそうだったのは、その1回のみです。写真を見れば体型のおおよその検討がつくかなと思います。
《何で私が探しているの?》
時系列は以下の通りです。はじまりは『ピンポ~ン』でした。
・1月10日22時30分
見知らぬ男性が家を訪ねてきました。
『夜分にすみません。お宅のワンちゃんはいま、家にいますか?』
『え?!』いや、そこで寝てるけど。
『いま、この道を下に下っていく大型犬がいました。ラブラドールのような感じがしたのですが、お宅のワンちゃんじゃないですか?』
つまり、その方は、ウチに大型犬がいることを知っていて、逃げ出したのではないかと思って知らせにきてくださったのです。
私はFacebookでとある動物保護団体をフォローしていますが、年末にボクサー犬が行方不明になった記事をその団体がシェアしていたので読んでいました。即座に、モリーでは?と思ったので、23時過ぎから近辺を探し回りました。途中、パトロール中のパトカーを捕まえて、お巡りさんにも事情を話しました。ちなみに、行方不明地点から家までは6km。山の中を通過すればもっと近い道があるはずです。大型犬にとってなんてことない距離です。もちろん、その時には見つけることもできず、また、お巡りさんがその犬は無事に保護されたようだと言っていたので、見つかったのかな?と思っていました。
でも、その後、Facebookでまだ見つかっていないこと、うちの近所の別の場所でもその日のその時間に目撃情報があることが書いてあったので、コメントで『大型犬の目撃情報がありました。』と書きました。その後、返信があるわけでもなく、追加情報があるわけでもなかったのでそのままでした。
・2月18日
モリーちゃんを探すボランティア団体の方からFacebook経由で
『まだ見つからないこと』
『2月8日の生存確認(横須賀)は取れていること』
『ウチの前を走っていた大型犬を見た方に連絡を取りたい』
と連絡が来ました。最終的にその犬は別犬であったと判断したのですが、今考えると他にもこのあたりでの目撃があったことからこの辺にいた可能性はあったと思います。
・2月25日
2月17日にモリーちゃんの生存確認(横須賀)がとれましたの連絡あり。この時がモリーちゃんに最も近づけた瞬間です。見つけた方が口笛で呼んだところ、落ち着いた様子でやってきたそうです。30cmの距離にまでなりましたが、見つけた方は捕獲に踏み切れなかったようです。やはり、犬は犬ですから無理もありません。飼い主にはどんないい子だって万人にそうとは限りません。
・4月11日
4月2日にモリーちゃんの生存確認(横浜市栄区)がとれましたの連絡あり。


この写真の東上郷町あたりで夜遅くの帰宅途中の方に目撃されました。どこからでも山に入っていけます。これは私が職場のみなとみらいから自宅の逗子までオンロードとオフロード組み合わせて走って帰宅した時のログで、見ての通り港南台から鎌倉までは山の中だけを通って道は続いています。モリーちゃんもこの道の近くを通って行っているはずです。
発見された団地方面を見下ろしています。
・4月19日
4月19日の10時ころ、京急田浦近くの船越神社付近で目撃情報ありと連絡がありました。ボランティアさんも飼い主さんもその日のうちに現地で捜索しており、餌も数か所に置いたとのことでした。私も仕事のあと、山に入っていく道、山とつながっている公園、目撃情報のあったあたりの公園に出向き、餌を置き少しヘッドランプつけて捜索もしました。目撃情報のモリーはがりがりに痩せて泥まみれで汚れてしまっているそうです。新聞の折り込み広告3500枚を増刷して地域に配る予定です。
《犬を迷子にさせてしまった時にするべきこと》
理由はどうであれ、いなくなってしまったのですから一刻も早く手を打つことが早期発見にもつながります。ある動物病院で飼っている犬は、1年間逃走の末、捕獲できたそうです。また、ある犬は関東から関西まで行き、さらに関東に戻ってくるということもあったそうです。どんだけーーー!!!
・まず、各公的機関にすぐに連絡
保健所
神奈川県の保健所一覧です。↓
保健所は犬や猫の一時預かり施設でここから神奈川県の場合は動物保護センターに移動します。もともと保健所は殺処分施設を持ちません。
神奈川県の動物保護センターのページです↓
こちらは平成26年まで犬猫の殺処分を行ってきましたが、平成27年に煙突・焼却炉を撤去しました。現在、神奈川県は殺処分ゼロですがそのしわ寄せとしてボランティア団体に作業が振り分けられただけのような気もします。
警察
神奈川県の警察一覧です↓
届け出は24時間受付てくれますから、いなくなったらすぐに連絡できるのはまずは警察ということになるでしょうか。ちなみに、警察では動物は《遺失物扱い》となります。
動物病院
場所によっては他県も視野に入れます。いなくなってからの経過時間にもよりますが、大型犬の場合、30kmくらいの移動は全然ありだと思われます。こちらは『迷子の犬の行動範囲を検索』してくれます。ただ、いなくなってから7日までしか入力できません。あくまで予測ですがとても役に立つと思います↓
大型犬が7日間で移動する最小範囲は7km、最大は35kmでした。この予想半径のまさに最小圏内にモリーちゃんは今も入っています。
・捜索依頼
動物愛護団体もしくは、捜索ボランティアへの捜索依頼
1人で探すより人手は多いに越したことはありません。お願いできる全てのところに依頼してみた方がいいです。
コンビニ、ガソリンスタンドなどへのチラシ配布
捜索ボランティアさん曰く、不思議と迷子の犬が迷い込みやすい場所というのがいくつか存在するそうです。コンビニはその近くの多くの人が利用するので目に留まりやすいのと食べ物のごみなどの匂いにやってくることも多いそうです。同じ理由でいい匂いを出している飲食店(焼き肉店)にも集まりやすいということです。要チェックポイントです。
新聞広告、ラジオ放送、ポスティングの手配
これは、誰かに飼われてしまった場合にも有効ですが、お互いが監視の目となれるように情報をいろんな方向からインプットする必要があります。近くで新しく犬を飼い始めた人がいても情報が入っていなければ記憶の片隅に埋もれていくだけですが、情報が入っていると『あ!あの犬は?!』と結び付けられます。
SNS拡散…Twitter、Facebook、ありとあらゆる手段
現に私はこれによってウチの近くの迷子の犬とモリーを結び付けることが出来ました。もちろんミスリードも増えることではありますが(みんなその犬を見た気になる)情報は多くても取捨選択すればいいだけです。怖いのは情報が一つも手に入らないことです。
・飼い主の匂いのついたものを道しるべとして誘導
今回も横須賀への2月の出没はこれのお蔭であったと思われます。一度は自宅から30分のところにまで帰ってきていたモリーちゃん。飼い主さんの匂いだけが頼りだったのかもしれません。
この山に、すぐ近くにモリーちゃんは頑張って生きています。臆病で慎重な性格のお蔭で一度車に接触してからは、大きな車通りの激しい道を避けています。でも、そのせいで人里にはなかなか姿を見せてくれないのも事実です。
《私にできること》
明日、私は近くの山を探して走ります。モリーちゃんが目撃された山は、いつも私が走り回っている山です。絶対このどこかにいるはずです。リードと首輪も新しく購入しました。お腹は減っているだろうに餌を見せても寄ってこないほどに人への信頼感を失っています。どうか一日でも早く保護されるように祈るばかりです。



皆様、迷子の犬を見つけたら、捕まえられなくてもその見たという事実をどうか公的機関に届けてください。その事実を喉から手が出るほど欲している人がこの世のどこかにいます。